Netwalker(PC-Z1)のバッテリーを復活させる(バッテリーセル交換)
こんにちは。今回は趣向を変えまして、モバイルガジェットのバッテリー復旧手順について紹介したいと思います。
今回復旧させるガジェットは
http://www.sharp.co.jp/netwalker/
Netwalkerを知らない方も多いと思いますので、振り返りや歴史などを紹介したいと思います。
このデバイスは2009年の9月に発売された端末で、当時はAtomベースのネットブック全盛期でして、iPhone 3GSも発売開始して間もなく、見慣れぬARM CPU搭載機として一部のGeekなユーザから熱いエールを受けたデバイスでした。販売元がZaurusを開発したSHARPということもあり、正統後継機ということでZaurusユーザの期待値も高かったことを覚えています。私も正式発売日前の先行販売の時に買ったクチでした。
買った当初は「小さくてカッコイイー」とか「ARMのバッテリーの持ち具合スゲー」とか絶賛したりして、外出する時には必ずバックに入れていたお気に入りのデバイスでした。
そして現在2018年、バッテリーも完全にヘタリきっていて、AC電源を接続しないと起動すらできない状態になってます。(一応ACがあれば起動はする状態)
SHARPのサポートとしては
「2000円(だったかその位の値段)でバッテリーをリフレッシュするよ」
という、バッテリーセルの交換にしては格安な良サポートもあったのですが、既に発売から10年近く経過している状態ではサポートも打ち切られている状態で、Amazon等で交換用バッテリーを探すも在庫切れで入手不可能という状態。
この様な状態でなんとかバッテリーを復旧させようというのが今回のバッテリー復旧の趣旨になります。正直スペックもかなり低いし、復旧させても日常で使うことはおそらくないと思いますが。。
注意事項
今更の注意文になりますが、今回はPCガジェット内のリチウムイオンの生セルを組み替え直す、という危険な作業になります。リチウムイオンセルは扱いが非常に難しく、ちょっとしたミスでも火花などが出たりします。このブログの内容を真似して、何らか不利益を被っても責任は取れませんので、真似する場合は自己責任でお願いします。
とりあえず分解
該当デバイスは非常に分解しやすい設計になっていて、裏側のディスプレイのヒンジ付近の4つのネジを外すだけで、前面のコントロール部分のパネル(マウスや電源ボタン)を外す事が出来、バッテリーにアクセスする事が出来ます。外したバッテリーが下の画像になります。
スペックを見ると1620mAh/7.4Vと書かれてます。
熱収縮チューブで巻いてあるので、カッターで切るとバッテリーの構成が見えてきました。長さ50mmの18500型(3.7V)のリチウムイオンセルを2個直列に繋いで、リチウム制御基板でコントロールしている感じです。
この18500型のバッテリーの新品を購入して組み替えれば復旧できそうです。ネットで調べるとこの赤いバッテリーセルは三洋製のUR18500(保護回路なし)である事がわかりました。
しかしこのバッテリーセルもなかなか売って無かったのです。製品販売ページと思われるページはヒットするものの、英語の企業向けページばかりで、個人向けに2個だけ買えるのかわかりません。仕方ないので代わりに同規格のバッテリーセルをを見つけましたのでそちらを使いました。
一個233円と格安です。送料を含めても730円程度。スペックも大体一緒だし、何より格安なのでこれを利用することにします。注文してから大体1週間くらいで届きました。早速直列につないで制御基盤を組み込み、マスキングテープで固定&絶縁。元々あった熱収縮チューブやラベルも一緒に戻して組み立てた図がこちら。
(左は組み立て過程の途中です)
かなり不安要素は有りますがそれっぽく直せました。このハンドメイドバッテリーで起動するかわからないので、とりあえずマザーボードに接続しただけの状態で、電源ボタンを押して起動させてみます。
起動に成功しました。あとは前面パネルをつけてネジ止めしなおせば完了、なんですけどバッテリーの組み立てが雑だったのか、元のバッテリーより少し大きくなってしまい、少しパネルの裏面などプラスチックを削る必要がありました。もともと起動すらしない状態だったので躊躇なく削れます。削ったあとは何とか閉める事が出来ました。
とりあえず問題なく使えそうです。
初代Raspberry pi1とほぼ同等の低スペックガジェットですが、文章打ちやらメール位なら使えるのでしょうか。
せっかく直したので昔を懐かしみつつ少し使い込んでみようと思います。